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奥村 進; 宮脇 信正; 倉島 俊; 吉田 健一; 福田 光宏; 石堀 郁夫; 上松 敬; 奈良 孝幸; 中村 義輝; 荒川 和夫
Proceedings of 17th International Conference on Cyclotrons and Their Applications (CYCLOTRONS 2004), p.410 - 412, 2005/00
原研AVFサイクロトロンで加速したビームのエネルギー幅をエネルギー分解能dE/E=0.001%で計測する機器の開発を行った。今回開発したのは、最小設定幅が0.01mmまで可能な3組のビームスリット及びビーム強度モニタで、既設偏向電磁石と組合せることで、高い分解能を達成する。偏向電磁石のオブジェクト及びイメージ位置の既設ビーム診断用チェンバーに設置するために、コンパクトな設計となっており、その実装を完了し、予備テストを実施した。この計測システムを用いてビームエネルギー幅計測を行い、マイクロビーム形成に必要なdE/E=0.02%のビームエネルギー幅をフラットトップ加速によるビームエネルギー幅縮小化で達成することを目指す。
福田 光宏; 倉島 俊; 宮脇 信正; 奥村 進; 神谷 富裕; 及川 将一*; 中村 義輝; 奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210, p.33 - 36, 2003/09
被引用回数:4 パーセンタイル:33.7(Instruments & Instrumentation)数百MeVの重イオンマイクロビームはバイオ研究に必要とされる重要なプローブである。原研AVFサイクロトロンでは、生体機能解明研究に適した260MeV Neマイクロビームのシングルイオンヒット技術の開発を行っている。ビーム径1mのマイクロビームを生成するためには、集束レンズでの色収差の影響を最小限に抑えるようにビームのエネルギー幅をE/E=0.02%にする必要がある。サイクロトロンビームのエネルギー幅は加速電圧波形と位相アクセプタンスに依存し、正弦波を用いた従来の加速法では0.1%が通例である。第5高調波電圧を基本波電圧に重畳することによりエネルギー利得の均一化に必要なフラットトップ電圧波形を作ることができ、エネルギー幅の最小化が実現される。そこで、既設の基本波共振空洞に連結し、基本波周波数の5倍の周波数帯域(55-110MHz)の第5高調波を発生させるための同軸型共振空洞を設計・製作した。パワー試験において、ディー電極の端部に設置した加速電圧ピックアップ電極からの信号をモニターすることにより、第5高調波電圧が基本波電圧に正常に重畳されていることを確認した。
福田 光宏; 倉島 俊; 奥村 進; 宮脇 信正; 上松 敬; 中村 義輝; 奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 吉田 健一; 横田 渉; et al.
Review of Scientific Instruments, 74(4), p.2293 - 2299, 2003/04
被引用回数:14 パーセンタイル:58.58(Instruments & Instrumentation)3種類の加速ハーモニクスモード(h=1,2,3)を有するエネルギー可変・加速粒子多種類型AVFサイクロトロンにおけるイオンビームのエネルギー幅最小化に最適なフラットトップ加速システムの検討を行い、基本波加速電圧にその5倍の周波数を持つ高調波電圧を重畳する方法が最適であることを理論的に明らかにした。第5高調波を用いたフラットトップ加速は、高調波電圧発生に必要な増幅器パワーと共振空洞内の消費パワーを最小化し、1ターン当たりのエネルギー利得を増大させるという特長を持っている。そこで、原研AVFサイクロトロンにおいては、ビーム径1mのマイクロビーム形成を実現するため、ビームエネルギー幅を0.02以下に最小化するフラットトップ加速システムの仕様検討を行い、加速電圧安定度の許容値が基本波210以下、第5高調波110以下、加速電圧位相安定度許容値が0.2以下、磁場安定度許容値が1.910以下であることを定量的に示した。本仕様を踏まえ、コールドモデル試験及び電磁場解析コードMAFIAを用いた計算により、コンパクトで省パワー性に優れた第5高調波発生用共振空洞を設計した。